丸谷元人
インテリジェンスの高い視点を持つための「3つの鉄則」
From:丸谷元人

この世の中には「騙す人間」と「騙される人間」の2種類しかいない。一般的にはこんな風に言 われることもありますが、私はそうは思いたくありません。私は世の中には、別のもう1種類の人 がいると思っています。それは何かというと「騙されない人間」です。
人を騙すことはないかもし れないけれども、決して騙されない人間、つまり「インテリジェンス」を働かせる人間は、少な くとも誰からも騙されずに済むのではないかと思っています。
その上で「インテリジェンス」の高い視点を持つために、重要な鉄則は3つあります。まず1 つ目は、これまで何度も言いましたが、大手のメディアだけをむやみに信用しない、むしろそ の情報操作機能に注目するということです。
そして、ロシアや中国の暗部を知りたければ、ア メリカの記事を読む。アメリカの暗部を知りたければ、イギリスとかロシアの記事を読む、な ど。これは非常に有効な方法です。もちろん、両方の記事にはプロパガンダが多く含まれ、ま たお互いに隠したいであろう部分も垣間見えてきます。それらをしっかりと読み取って、分析 してみるということです。
私自身も、ナイジェリアの石油関連のプロジェクトに参加していた時、地元マフィアの関係者たちと接触することがありましたが、危険な動きをしているマフィアや武装集団の情報を集 めるときには、必ずその対立先から情報を仕入れるようにしました。
例えば、大統領派の動向 が知りたければ、対立野党から金をもらっている集団と接触するということであり、またテロ 組織「ボコ・ハラム」の情報を知りたいときは、地元のキリスト教系の民兵集団から情報を仕 入れるという次第です。
相手は敵のことを必死になって勉強していますので、時折「あっ!」 と思うような見方を教えてくれることがあるのです。つまり、敵の敵は味方なんだよという感 覚を忘れないということです。
鉄則2は、歴史と利権の観点から国際社会を見るということです。文化人類学的な観点も必 要です。
そして鉄則3、これ一番重要です。この瞬間、”いったい誰が得をしているのか?”とい うことを常に考える。これはもう警察の刑事の発想ですね。殺人事件が起こると、いったい裏 で誰が得をしたのか?を探る。これはもう鉄則です。
フランクリン・ルーズベルト元アメリカ大統領。彼は日本を真珠湾攻撃に追い込んだと言わ れ始めていますが、そのルーズベルト大統領は言いました。”「世界的な事件は偶然に起こるこ とは決してない。そうなるように前もって仕組まれていたと、私はあなたに賭けてもいい。」” 日本を真珠湾攻撃に追い込んだと言われている彼が言っているのですから、これはまさに至言 だと思います。おっしゃるとおりだと思います。
全てのことは偶然に起こったように見えても、それまでの個々のアクションの裏には、必ず 強い意思が働いているわけです。その意思がどこから来て、どこに向かっているのか。そこに 注意してみてください。